***浴衣と着物はキャミとスーツ。***




 この項目を書いているのは夏の手前なのですが、春先からこの時期は浴衣が大量に出回ります!!うきゃvv(←喜んでいます)

 いいねえ、浴衣。
 可愛いね。浴衣。
 で、このサイトでは着物に慣れるために「浴衣を買いましょう」とは言いません。
 確かに浴衣を新芽ちゃんが慣れるために着るのはいいと思う。
 でも、浴衣と着物は根本が違うんです。

 極端な言い方をすれば
 着物→朝・昼・夜
 浴衣→夕方・夜
に、着るものなのです。

 浴衣というのは入浴時に着た衣から発展した着物です。
 昔のお風呂はスチームサウナ(蒸気風呂)なんですね。薄い単の着物を着て蒸気を浴び、熱くなって汗をかいたら桶に汲んである水を体にかける。
 こういう入り方をしたんです。(もちろん温泉は昔から沸いていたので普通にお湯に浸かる入り方もありましたよ)

 とはいっても、今私たちがよく見る浴衣は江戸時代に派生したもので、こちらは今の銭湯と同じように共同使用でお湯を大きな風呂桶に溜めて、その中につかるのですっ裸で入浴しました。基本的には男女混浴で、未婚の子が入る時は周囲におばちゃんが人垣を作って入ったりとかしたそうです(笑)
 で、浴衣は風呂上りに着るバスローブな感覚だったのです。
(江戸文化にあまり詳しくないので詳細が書けずに申し訳ないです)

 なので、敢えて現在の日本の衣服で例えるなら

着物+袋帯→スーツ
浴衣→キャミ


 なんですね。
 会社の面接にキャミで行く人ってそうはいないでしょう?
(バイトの面接でもTシャツ・ジーパンっていうのはダメだと私は思う。けっこう服装で見ている店長さんは多いんですよ(私は店長なんてしたことないけどね(^^;)聞いた話)))
 私がみなさんに着てもらいたいなぁと思っているのは着物であって、上記のように例えるならスーツを着て欲しいのにキャミを買いましょうっていうのは話がずれているような気がするんです。
(じゃあ、風呂敷はずれていないのか?というツッコミが聞こえる(^^;))

 浴衣というのはお風呂上りに気楽に着るキャミなんです。
 だから汗の吸収がよくて、着ていて涼しくて、見た目も涼しくてスッキリしていて、肌蹴た雰囲気や後れ毛が似合うものなんです。
 今はキャミだけで昼間に出かけるのも自由な時代ですが、やっぱりキャミだけを着ている女性を見て眉を顰める人たちはたくさんいるんです。
(特に他の国だと若い人でも「日本の女性は娼婦のような服を着ている」と言うお国もあるのです)

 これはもう、感覚(風習・宗教・歴史とも言いますね)の違いです。

 ふじさわの中では浴衣は
「夜に着る」「涼しげで」「気楽に着れる」「夏の服」
 なのです。
 ですから浴衣で春に咲く桜柄はおかしいと思うし、藤も変だと思う。
 暑苦しい色合い(濃いオレンジとかショッキングピンク、どぎつい洋花とか)は、色の好き好きは人それぞれで、私が着なければいいだけの話なのでまあ百歩譲るとしても、千歩譲っても嫌なことはあります。それは浴衣で公式の場に行くこと。これはもう、本当にやめて欲しいと思うのです。

 
これは昔のおばあちゃんの感覚です。

 このサイトで私は今まで散々自由でいいと言ってきました。それに反している気は満々します。
 でもね、ある程度お年を召した方のほとんどがそう思っていることを知っておくのは悪いことじゃないと思うんです。(もちろん、知ってても着たいからと着るのは自由ですよ♪)
 なので言いますね。

 浴衣に下駄で「劇場」や「お茶会」や「ホテルでランチ」「寺社仏閣に参拝」は、キャミを着て「会社面接」や「取引先の上司と打ち合わせ」「海外出張」に行くようなものなのです。
 本来ならここに結婚式も入れたいくらいですが、今はキャミのようなドレスで結婚式に出席するのは当たり前になっているので‥‥‥
(例えるなら結婚式の二次会にジーンズで来るようなもの?でも、最近は結婚式にもジーンズで参加する人がいるからな‥‥‥私は正気を疑います。ジーンズは普段着ですもの。晴れの場で着る服ではないと思う。うわぁ!感覚がおばあちゃんだよ!!)

 浴衣が着れれば、着物も着易い。
 着物が着れれば、浴衣なんて楽チン。

 なので新芽ちゃんが一番最初に着る着物に浴衣を選ぶのは間違いではありませんし、いいことだと思います。
 ただ、『用途が違う』ということだけは覚えておいて下さい。

 その違いがあるけど、私は浴衣を着物っぽく着たいの。とか浴衣で公式の場に出かけたいの!と仰るなら止めません。
 おお、やっちゃえやっちゃえ!と無責任に応援もします(おいおい)が、知ることもない、知ろうともしないというのは怖いことだと思って下さい。着物のことだけじゃなく、日常生活全般において、ね。

 そんなの、昔のことじゃない。
 と、いう言い訳は、着物の世界ではあんまり通用しません。
 着物が関連してくるお茶もお花も踊りも、その「昔」のことを大事にしている世界なのです。

 まあ、説教臭い項目になってしまいましたが、こういうふうに口うるさいおばさんたちは世の中にごまんといますので、うるさく言われたくなかったら浴衣では、そういう場に近づかなければいいんです。
 半巾帯に色つきの半襟、足袋、下駄でもそういう場には近づかないほうがいいんです。(これらも普段着なので、公式の場に着て行くと視線が痛いですよ〜)
 君子、危うきに近寄らず。です。



次へ>>


miya.f [okiraku*okimono*life]