春夏秋冬。日本の季節。

＊＊＊春夏秋冬。日本の季節。＊＊＊

　裏地があるかないか、格式‥‥‥などでいろいろ場所が限定する着物ですが、それだけでなくさらに描かれた柄、色目でも固定されたりします。

　うがっ！！！

　と、叫びたくなります。
　っつーーか、叫んでいます。
「ややこしいんじゃぁーーーーーー！！！！（ちゃぶ台返し）」
　ふーふー。

　まあ、ここは割り切って、
「せっかく春夏秋冬のある日本に生まれてきたんだもの、楽しまなくちゃ♪」と前向きに行きましょう。
　そうしましょう。いえ、そうして下さい。

　ここまでくると、あまりにも規則に縛られ過ぎていて面白くないよな～という気もしますが、訪問着とか附け下げとか、絽とか紗に比べたら、季節に合わせて柄や色を選ぶ方が楽しいです。
　そう思うしかないです。

　ただし、現在はこの色と柄に関してはかなり緩くなりました。ひゃっっほい！！
　こだわるかこだわらないかは個人の感覚次第です。

　桜の木が葉っぱだけになったのに桜柄を着たり、真冬に紫陽花柄を着るのをおしゃれと言い切っていいのか‥‥‥まあ、好みなんですけどね。
　植物の柄は季節を先取りする分にはおしゃれだと思うのだけど、反対の時期や終わった時期に着るのは‥‥‥

　例：
　夏に蜻蛉柄。秋の七草。　　冬に梅柄。　桜開花前に桜柄。

　こういうのは粋だと思うのさ。

春→
３月	柄：桜・菖蒲・藤・ひななどの人形・チューリップ・花蝶色：若緑・銀ねず・鶸色（ひわいろ）・水浅葱・乳白色・淡いオレンジ
４月	柄：桜（前半）・桜の花片（後半）・紫陽花・梔子（くちなし）・牡丹・柳・水紋・流水・行雲色：香色・虹色・山吹色・水色・花色（露草の色・水色よりやや濃い）・水浅葱・真珠色・紫
５月	柄：花筏（はないかだ）・紫陽花・御所・解き模様・花鳥・流水・気象紋様色：浅紫・花紫・紅藤・灰桜・秘色（ひそく・薄い緑）・水色・トルコ石色・青磁色・白

夏→
６月	柄：雨・海・雲・虫・紫陽花・百合・薊（あざみ）色：水色・浅緑・白・灰色・朱・桔梗紫
７月	柄：流水・波・雲・雪輪・朝顔色：白・黒・紺・水色・灰白・浅紫・生成り・薄緑
８月	柄：水・波・雲などの自然模様、秋の七草模様（萩、尾花（おばな：ススキのこと）、葛（くず）、撫子（なでしこ）、女郎花（おみなえし）、藤袴（ふじばかま）、桔梗（ききょう：もしくは朝顔という説も有り）祭り模様色：水浅葱・白・朱・生成り・赤紫

秋→
９月	柄：中旬まで秋草模様・中旬以降は菊や秋の風物、月見など色：初旬は淡い色・中旬以降は鬱金・朱・茶・緑・紺など濃い色
１０月	柄：異国文様（更紗文様など）・建物などの幾何学的なもの・菊や銀杏色：朽葉色・茶系・黄土色系・青紫・朱・金・銀
１１月	柄：山や雑木・有職文様・御所解き、江戸解き模様、風景模様、物語模様・朽葉散らし・実もの・この月まで菊色：黄土色・抹茶色・金・藍黒茶・納戸色・銀ねず・紺・青丹・濃い青・利休茶・橙色・からし色

冬→
１２月	柄：星、月などの天体模様・金箔銀箔などであらわしたもの・唐草、更紗などの異国模様、冬景色、南天、烏瓜色：白・黒・小豆色・灰色・緋色・茜色・からし色・古代紫・深緑・金・銀
１月	柄：松竹梅などの吉祥文様・雪持ち笹などの雪持ち文様・有職文様・水仙・千両などの実もの・干支文様色：深緑・朱・茜色・白・紅・黒・藤紫
２月	柄：霰（あられ）文様・梅・水仙・椿・蘭・笹・前半まで雪持ち文様・後半からチューリップ色：若葉色・卵色・若紫・薄紅・黄色・藍色

通年
通年ＯＫな柄もの（お春さん曰く）	・ぱっと見て花の名前がはっきりしないようなアレンジしている花・格子柄・チェック柄・縞（しま）柄・縦枠柄・おめでたい柄（吉祥模様、鼓など）・季節感のない風景画・波柄・いろいろな季節の花がまとめて描かれている柄

＊＊＊参考：日本の色＊＊＊
（ものすごーーく一部分）

　ややこしいですね‥‥‥

　まあ、色に関してはご自分の好きな色でＯＫ。その季節に着たい色やマイブームな色で選んで下さいませ。上記はあくまでも参考！！ですから。
　柄に関しても、あなたの好みでいいと思いますよ。
　好きなお花があるならその花にこだわってみるのも粋ではないでしょうか。

（私が桜柄を年中着ることにあまり好意的ではないのは、あまりにもブランドものの着物やデザイナーさんがこれでもか！！と桜柄をもてはやすからです。
　私の中で「花」と言ったら梅なんです。桜を「日本の花」と認識するようになったのはけっこう時代が下がるんですよ。今の日本は至るところに桜が植わっていますが、これも明治時代に植えられたものですから‥‥‥花的にも桜より撫子、桔梗、菖蒲、芍薬、藤などが好きなのです。撫子柄が個人的に一番好き♪でも、やっぱり夏や秋の柄というイメージがあるので一年中着ることはしないですね）
　

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