***アンティークに気をつけて***



 今、とっても流行っているアンティーク着物。
 可愛い。
 確かに可愛い!
 もう、めちゃくちゃ可愛い!!!


 ですが、新芽ちゃんは購入を気をつけて下さい。というより、慣れるまで見合わせて下さい

 なんでかというと、
・丈が短い。
・手入れが大変。
・手入れにお金がかかる。
・下手に洗濯をするとボロボロになる。

 からです。
 着物を安く買うにはアンティークはお手頃です。
 確かに安く買うには最適。だけど維持費が最悪なのです。

 まず、丈なのですが、戦後に食糧事情が変わり、日本人の背丈は急激に伸びました。現在、高校三年生の女性の平均身長は158センチだったかな。
 ですが、アンティーク着物として出回っている着物はすべて「その人が生きていた時代」の背丈に合わせて作られています。

 幕末の坂本竜馬の身長は約160センチ。彼をこの時代の人は「大男」と呼びます。
 なんでか?
 もちろん、この時代の人たちの平均身長が低いからです。

 京都や鎌倉の古いお寺や庭園や茶室を観光したことのある方、もしくは昭和の時代に建てられた木造家屋にお住まいの方はおわかりかもしれませんが、日本の鴨居は約180センチです。つまり、昔の人はこの高さで充分生活ができたのです。
 それくらい小さいのですね。確か幕末の頃は145センチくらいが平均身長。
 現代の私たちが身につけるには小さ過ぎるのです。
 松平容保公がお召しになっていた紋付き袴を見たことがあるのですが、もうめちゃめちゃ小さいの。確か148センチくらいだったはず。
 しかも幕末の頃は歴史的に見て日本の人類の平均身長が低い頃なんだそうです。150年程の幅で人類の身長は高い時と低い時があるそうなのですが、幕末はちょうど背が低い時期で、徐々に背が高くなり始めた時代の着物が、今アンティークとして売られているんですね。
(出典を明記したいのですが、どこで読んだのかちょっと忘れてしまいました。大学の先生のエッセイだったと‥‥‥)

 着物は前後5センチ程度だったら「おはしょり(帯の下にある折り返した着物の部分)」や「衣紋(えもん:衿元のこと)の抜き」で丈をごまかすことが出来ます。
 ですが、身長が155センチ以上ある方は、残念ですがアンティークのお着物は諦めた方が無難でしょう。(おはしょりを作らずに水前寺清子さんやお市の方(織田信長の妹。よく歴史の教科書に載っている肖像画参考)のように着る方法もありますが‥‥‥)
 アンティークの着物を帯に仕立て直すとか、小物にするとか、そういう方法で楽しんで下さい。後は必死で昔にもいたであろう、竜馬くらい背の高い人が着ていた着物を探してみるしかありません。


 それに維持費。
 昔の着物なので繊維はそれなりに痛んでいます。
 あと、正絹だったりもします。
 家の洗濯機でエ○ールで洗ったりなんかしたらボロボロになります。お春さんに「正絹の着物ってシルクでしょう?(日本語としておかしいですが、気にしないで)エ○ールで洗ったら駄目かな?無理??」と聞いてみたのですが「無理じゃないかしら。ボロボロにしてもいいなら挑戦してみたら?」と言われてしまいました。
 と、言うことはクリーニングや洗い張りに出せっていうこと?
 安く買っても維持費が着物代以上かかりますね‥‥‥絶句。

 現在、アンティーク『風』の柄のお着物はたくさん出ています。自分が『私はもう着物に慣れたわ。初心者脱却よ!』と、思える日が来るまでは『風』の洗える着物で我慢しましょう。ね。(自分に言い聞かすように‥‥‥ううう)

>>続き


miya.f [okiraku*okimono*life]