***ハレとケ***



 この言葉を聞いて、なんじゃ?と思った方が大半だと思います。

 
ハレ→晴(晴れがましいこと。正式であること)
 ケ→褻(日常であること)


 と、いう意味です。
 これは昔の言葉ですが、今でも『晴れ舞台』とか『晴れがましい』とか使いますね。
 つまり、日本ではこういう日常と正式な場をわけて考える傾向が強いのです。
 もちろん着物の世界にもこれは当てはまり、先に書き記した「小紋」は「ケ」の着物。日常の着物に分類されます。

 とりあえず新芽ちゃんはケに着る着物だけ読んで下さい(^o^)
 他は飛ばしてOK!!


ケに着る着物(日常着)→
小紋(こもん) 繰り返し模様の型染め(もしくは手描き)の着物。
帯を袋帯や名古屋帯にすれば「ハレ」である軽いパーティやお正月の挨拶回りにも着用可能。
紬(つむぎ) 糸の状態で染めてから反物に織る先染めの着物。(中には後染めもあります)
つまり模様はすべて織り模様なのですね。
養蚕農家の方が繭糸を使って折ったところから始まったので長い間普段着枠でしたが、最近では洒落着や社交着にしてもOKだそうです。
浴衣(ゆかた) 真夏の単衣(ひとえ:裏地がない着物)の着物。
ルーツは古代のお風呂に入る時に着ていた湯帷子(ゆかたびら)。古代のお風呂はスチームサウナで、これを着て中に入り、熱くなったら水をかけるという方式でした。
江戸時代には今の銭湯のような公衆浴場が普及し、木綿の浴衣がブームとなったのです。なので昔の人は浴衣は夏の夕方以降に着るものだから暑苦しい色のものは不可!という場合があります。
 今はそういう堅苦しいこともなく街着として着てもOK。
(ただ、長襦袢を中に着て普通の夏用着物として着るのはまだ賛否両論あるようです)
ハレに着る着物(おしゃれ着・略礼装・正装)→
黒留袖(くろとめそで) 祝儀のためのフォーマルな着物。既婚女性の第一礼装。
五ケ所に紋が入ります。主に着る時は結婚式かな。
色留袖(いろとめそで) 五ケ所に紋が入っている場合は未婚女性もOKの第一礼装。
これも結婚式が主な活躍の場。
新郎新婦の両親&仲人→黒留袖
新郎新婦の30代や既婚の姉妹や祖母や叔母・伯母→色留袖
ちなみにこれが紋が三つになると準礼装になり、結婚式だけでなく格式のある茶席やパーティなど装いの場が広がるそうです。
振袖(ふりそで) 未婚女性の第一礼装。本来ならこれも紋を入れるそうですが現在は紋無しでも礼装としてOK。
昔は結婚したら振袖の袖を切って、礼装にしたそうです。だから「留袖」って呼ぶんですね。
訪問着(ほうもんぎ) 色留袖の次にフォーマルで、おしゃれ着としても着れる準礼装。
披露宴やパーティ、見合い、結納、茶会などにも着ることが出来、未婚既婚を問わないので呉服店でよく勧められます
附け下げ(つけさげ) 訪問着を簡略した着物。小紋より格上。着物はいったん仮仕立てをして模様を描くのですが、附け下げはその工程を経ずに反物の状態で柄が上になるように描きます。戦時下に生まれた別名省エネ訪問着(冗談)。
格的には訪問着より下ですが、着ていける場所は訪問着とほとんど一緒。訪問着よりも安いです。
色無地(いろむじ) 一色染めの着物。紋の多さで礼装か準礼装か略式か決まります。
五つ紋→非常に改まった礼装。
三つ紋→無紋の訪問着より上の準礼装。
一つ紋→一つ紋の訪問着よりも格下の略式。
ややこしい!!
一つ紋なら、卒入学式、子供の七五三、茶席などでの着用が可能。
葬儀、告別式→
黒喪服・色喪服
(くろもふく・いろもふく)
喪主、家族、参列者は黒喪服に黒喪帯という第一礼装。故人の家族は三回忌まで黒喪服で、それ以降は色喪服というふうに着るようです。
黒喪服には五つ紋を入れ、第一礼装とします。




 きゃーーーー!!ややこしい!!

 そして、さらに帯もややこしい!!!


ケに着る帯(日常着)→
半巾帯
(はんはばおび)
半幅帯、細帯ともいいます。
普通、お太鼓の幅が八尺五寸になるように帯は仕立てます。一寸が3.03センチ。10寸で一尺なので八尺五寸は3.03×8.5で25.755センチ。

その半分の帯だから、だいたい12.8センチなのですが、だいたいは約17センチあります
なんでだろう?
最近ではパーティなどでも着用可能です。
半幅帯の場合は「帯揚げ(おびあげ)」「帯締め(おびじめ)」「帯枕(おびまくら)」などの小道具は不要です。
 おでかけ着として気楽に着るなら半巾帯が手頃ですね。

 改まった席に行くからと、必要のない小道具で名古屋帯や袋帯を結ぶように結ぶのは賛否両論あります。
 おしゃれとして楽しむのなら、それもアリでしょう。
 合わせるなら小紋か紬。
名古屋帯(なごやおび) セミフォーマルからカジュアルまでOK。大正時代に名古屋の先生が考案したから名古屋帯。へぇ〜。
お太鼓として結びやすいように仕立ててある帯。
附け下げや色無地、小紋、上等な紬に合わせます。
袋名古屋帯
(ふくろなごやおび)
地厚の帯地を八寸幅に織ったもの。形は名古屋帯、帯地は袋帯な感じ。
色留袖、色無地、訪問着、附け下げなどに合わせます。

生地が博多織や紬の場合は小紋や紬に合わせるのでケの帯になります。(ややこしい!!)
ハレに着る着物(おしゃれ着・略礼装・正装)→
袋帯(ふくろおび)  フォーマル用の帯。
 黒銀白→黒留袖用。第一礼装にOK。
 金糸銀糸が用いてある→色留袖、振袖、訪問着、三つ紋の色無地。
 それ以外→附け下げ、一つ紋の色無地。
 軽めの柄→小紋にもOK。(軽めってなんだろう?可愛い柄ってことしから??)
葬儀、告別式→
黒喪帯
(くろもおび)
黒喪服に合わせる帯。
色が黒で織り文様が浮き出るような帯。




 と、いうわけでこんなふうに、いろいろいろいろ格式とかややこしい決まりがあるわけです。(しかも面倒なことに教室によっては上記と違う場合もあります)

 ですが、先にも申しましたが、着物の世界でやっちゃ駄目なのは左前だけ!!なので、お気楽でチープに楽しむ場合は細かいことはノン♪ノン♪

 先述したように、
「小紋」
「半巾帯」
 だけ、覚えておいて下さいね〜♪
 ちなみに「洗える」は帯と小紋。「お仕立て上り」は小紋にかかります。


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