***ピンからキリまで***



 一口に呉服店と言ってもピンからキリまであります。

・良品を適切な値段で販売するお店。
・適当な商品を高値で売り付けるお店。

 この二種類のお店をどこで区別したらいいのか?
 新芽ちゃんにはわかりませんよね。

 そこで、簡単な目安を以下に。

悪徳呉服店の特徴

1:セール時期じゃないのにフロアに店員の数が多い。
※商売をする上で一番経費がかかるのが人件費です。教室程の大きさもないような店舗で5人以上の店員がいるようなお店は要注意。つまりは、その人数分の給料が支払える程の大きな利益を得ているということですから。

2:男性店員が着物を着ている場合、腰で帯を締めずにウエストで締めている。もしくは着方がだらしない
※つまり制服として着ているだけで、店員さんたちは着物の知識が豊富ではない、他の店員も注意しないくらい同僚に興味がない。ということがわかります。同僚に優しくないような店員が客にも優しいかは微妙ですね。

3:入店してすぐに寄ってくる。「用があったら呼びますから」と言っても勝手に語り出す
※一流店は客が居心地のいい雰囲気を作るものです。勝手にひとりでペラペラ喋っている店員はノルマに追われているのかもしれません。可哀想に。

4:店員の年齢が全体的に若い。特に男性店員がどう見ても20代ばかりのお店は危険性倍増。
※簡単に入社出来、店員が居着かない、次々に転職してしまう→仕事に誇りを感じられない営業方針である。と見てもいいでしょう。

5:希望小売価格と実際の値段の差があり過ぎる。特に希望小売価格の半額くらいの値段で売っているお店は要注意。
※販売価格には商品の原価+人件費+経費などなどが加わって設定されます。利益が加わっているはずなのに希望小売価格よりもめちゃめちゃ安いということは『お得』よりも『怪しい』のが近いです。
※ただし、決算時期や在庫セールなどの時は別です。古い商品をずっと在庫として抱えるよりは赤字覚悟で販売して倉庫を開けて新商品を入荷した方が良い場合もあるのです。身近な見本として、2000円札の在庫がある倉庫の管理費が膨大にかかっている。というのがありますね。なんとかしようよ、お国の偉い人。

6:入ってすぐにこちらの事情も聞かずに『正絹(しょうけん・絹100%の着物のこと)』や『辻が花(つじがはな)』『刺繍の袋帯(ふくろおび)』など高価な品を勧めてくる
※ただ単価の高いものを売り付けたいのが明白。
※『辻が花
 室町時代に流行した単衣(ひとえ・裏地のない夏用の着物のこと)に藍と紅で草花紋様を染めたものを『辻が花』と言います。
 現在は絹地に絞り染め(紐でくくって模様を作り染液に漬け込む)で行いますが、室町時代の辻が花が絞り染めだったかどうかは正しくは不明だそうです。
 この『辻が花』を復刻し辻が花ブームに火をつけたのが久保田一竹氏で、
美術館もあります。厳密に言うと氏の作品は『一竹辻が花』で室町時代の技法そのままではないそうです。
 江戸中期に『友禅染(ゆうぜんぞめ)』が流行してからは『辻が花』は衰退し、幻の染色技術と言われていました。
 決して花が連なっている模様のことだけを指すのではありません。

7:商品をひとりが説明し出したら周囲を他の店員が囲んで帰りづらくする
※ここまで来るとあからさまな悪徳っぷりです。「お主も悪よのぉ‥‥‥」と悪代官が笑うレベルです。怒って構いませんよ。



では、反対に一流店の見分け方。

‥‥‥ごめんなさい。実はふじさわ、一流店にご縁がありません。そうですね、みなさまが知っているブランドのお店(しゃねるとかぐっちとかふぇらがもとかえるめすとか?)にふらりと入ってみて、店員さんの態度を覚えてみたらいかがでしょうか。



じゃあ、中間を取って「悪徳じゃないと思われるお店」の見分け方
 微妙な言い方ですね。

1:入店した時に挨拶だけがかかり、しばらくの間は好きに見させてくれる。(挨拶しない店なんて三流だ!)

2:しばらくしたら声をかけられるが「用があったら呼びます」と言うと声がかけやすい距離を保って、見ている。(でも、じっと凝視する感じではなく優しい感じで)

3:声をかける時も「なにかお探しでしょうか?」とか「どんな時にお召しになるんですか?」など、こちらが答えやすいように質問をしてくれる。決してその後にマシンガントークは繰り出さない。


 とにかく着物を買うということは「自分が納得のいくもの」を買うことでもあるので、ものすごーーく気に入った柄の着物で、その値段で納得!!と思うのなら世間で言う『悪徳呉服屋』と思われるお店で買ったとしてもいいんではないかと思います。
 自分の感覚を大事にして下さいね!!


 今までいろいろなお店で感じた嫌な店員がいないお店が、あなたにとって素敵なお店である可能性は大きいと思いますよ。好きで着る着物ですから、嫌な思いをする店なんてポイっ!!です。

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