***適正価格とはなんぞや?***



 新聞に挟まれている呉服店の広告。
 インターネットショップの呉服店のページ。


 見ていて首を傾げることがありませんか?



 ‥‥‥値段、下がり過ぎ。

 酷い場合は希望小売価格の3割程の値段で販売をしていたりします。そんなことをして、そのお店の商売は成り立つのでしょうか??
 不思議です。本当に不思議。


 けっこういろいろと見ていて思ったのですが、着物業界程『希望小売価格』や『適正価格』などが当てにならない世界も珍しいです。
 着物は「服」や「アクセサリー」などのファッションジャンルのひとつであるはずですが、言ってしまえば美術工芸品のような趣も持っています。

 着物は絹製品が主ですが、西陣織のように美術品のような高雅なものや、染色作家の芸術作品のようなものもあります。
 絹の原料価格に人件費、プラス経費などという単純計算で着物の値段は決まりません。着物を染める人、織る人、仕立てる人。その人たち自身に付加価値がついていれば、着物は作品になり、実用品ではなく飾って楽しむものにもなってしまいます。


 なので、『適正価格』なんてありません。
 私たちにできることは、自分の感覚を養い、目を肥やし、知識を蓄えることです。
 あなたがそういう工芸品のような着物に一目惚れをして十数万を注ぎ込む日が来るかもしれません。でも、あなたがそれでとっても満足をするならば、高価な買い物ではありますが間違った買い物ではありません。

 しつこくて恐縮ですが、ようはあなたの考え次第なのです。
 ポリエステルの大量生産の機械縫いの着物ですら、お店によっては値段の幅がすごいのです。(正絹の着物程の落差はありませんが)
 なので、ぜひとも着物は一目惚れをしたものを購入しましょう。但し、一目惚れをして即決で買うのはお薦めしません。
 最低でも一週間は我慢して、それでも欲しくて欲しくて堪らないものならどーんと買ってしまうのも潔いです。漢です!!武士です!!!
 お店の雰囲気が気に入らない、店員の態度が気に入らない、商品のあの一部分の柄が気に入らない‥‥‥などとどこかひとつでも気に入らないところがあったら購入するのはお薦めしません。
 着物界統一の適正価格などは存在しません。
 自分がその値段を妥当だと思ったら、それが『適正価格』なのです。



 んなことを言われても適正価格が知りたいのよ‥‥‥
 と、言う方にふじさわの感覚を伝授。
『ポリエステルの洗える袷の着物』
 新品で4500円以上のものなら、ある程度のレベルまで達しています。あまり安過ぎるものは柄がぼやけていたり、配置がおかしかったり、印刷技術がまだ未成熟だった頃の名残を感じたりしました。
 上限としては洗えるポリエステルなら3万円程度でしょうか。
 ごめんなさい。まだ、そこまでの高額商品は購入したことがないんです。
『洗える半巾帯』
 新品で2000円以上のものなら、ある程度のレベルまで達しています。それ以下だと上記と同じ理由で私は気に入ったものに出会ったことがありません。「あ、これいいなぁ」と思ったものはたいていが5000円から7000円。この柄、可愛い!!!と一目惚れした半巾帯は1万5千円でした。もちろん、生活を優先して購入していません(苦笑)
 上限というか、半巾帯はあまり高価なものを見かけません。ブランドものなら別ですが、多く出回っているような帯でしたら3万円程度までしか見たことがないですね。

 但し、あくまでもふじさわの感覚です。ご了承下さいませ(^^;)

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