おきらく*おきもの*らいふ




***娘の着物は誂えないで。***


 さて、着物に興味があるの‥‥‥という方の中で、よく耳にするのが、自分はあまり着ないのだけど、娘のために誂えたい。娘と共用で着るための着物を作りたい。祖母(本人にとっては母親)の着物を娘に譲りたい‥‥‥

 と、いう本人にあまり着る気がないのに娘に着せたいという方の言葉。

 
はっきり言って、迷惑ですから!!!!!



 えーと、ふじさわはお春さんが誂えた着物を何点か持っています。
 お春さん本人の着物も時々借ります。
 でもね、私とお春さんではどうしても趣味が違う。
 お春さんのセンスがアレ(日本語って便利)なのもあるのですが、根本的な好みが違うのです。だから、正直言って、高価な着物を勝手に誂えたことは嬉しくありません。
 私が着物を他の人より着ることが多いのを知っていて勝手に誂えるのって、はっきり言って私の人格を無視しているような気がします。
 大げさですか?
 でもね、自分が気に入らないものを、高価だからというただそれだけの理由で着なければならないのは苦痛です。

 なので、言います。
 
誂えた着物は自分で着よう!!!

 これをね、自分で想像してみて下さい。
 あなたのお母さんが、あなたが成人、もしくは結婚するからと着物を相談もなく何着も誂えました‥‥‥‥‥‥どうよ?
 ―――嬉しくないでしょ?

 着物を着る楽しさって、自分で色柄を選ぶところから始まると思うのです。祖母や母が着ていたお気に入りの着物を譲ってもらうのと、勝手に祖母と母が誂えた着物を譲ってもらうのでは着る時の感覚が違います。

 自分が着たい!!!と思う高価な着物を買って、子供の入学式や卒業式や参観日とか市のお茶会とか、コンサートとか能楽観劇とかで着倒すというのはすごく素敵。
 でも、自分がそんなに着ない上に後々は子供に譲りたいのであれば、娘さん・息子さんの意見を尊重しましょう。
 身近な人が楽しそうに着ている姿を見れば、子供は勝手に着ちゃうものです。
 高価な着物ほど、着倒しましょう。
 元を取るくらいの勢いで!!
 子供の着物を親が勝手に誂えるのは成人式までです。(いや、ふじさわは成人式もどうかと思うよ。ちゃんと子供の意見も聞かないと。いい大人なんだからさ)
 それ以降の訪問着や留袖までに口を出さない!!!
 本当に、お願いします。

 え、ふじさわですか?
 自分に訪問着を選ぶ権限はありませんよ。勝手に作られていますから。喪服、訪問着、黒留袖まで揃ってます。勝手に。(強調)
 まったくもって、楽しさ半減です。訪問着は私も一緒にいたのでまだいいですが、黒留袖なんて見てもいないです。っつーか、見れる場所にありません。どこにあるのさ、お春さん‥‥‥たぶん、あの混沌(カオス)の中。
 そして、数年前お正月にお春さんの小紋を借りようと思って出してもらったら‥‥‥黒地に孔雀の羽柄の着物を出されました。ダサ!!!!!!!!
 ‥‥‥本気で泣くかと思った。えぐえぐ。
 本当にセンスがないんだよね、お春さん。
 黒留袖‥‥‥どんななんだろう。怖いよぉ。



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