かんたん江戸っ子かけいぼ


 




自己否定・悲劇のヒロイン症候群




「私が悪いんでしょ」
「自分のこと、嫌いだから」

 そう言うのは簡単です。
 認めることよりも否定することのが簡単。
 楽です。
 ちなみに上が母の口癖で、下が私がいつも思っていることでした。


 私は自分のことが好きではありません。
 ある推理小説作家さんがインタビューされていたのですが、
「30年後の自分と30年前の自分、どちらに会いたいですか?」
 その作家さんは「30年前の自分は嫌なガキだったので30年後の自分」と答えていました。
 私もそうです。
 30年前はともかく、20年前、10年前の自分なんて、吐き気がします。
 好きになどなれません。
 あの頃に出会った人で、今も自分と交流を持ってくれている人は本当に心が広い。と素で思います。


 ですが、生きていくことにこの自己否定は関係がありません。
 落ち込んでても浮かれていてもご飯は食べます。
 生きていくのにお金はかかります。
「私が悪いんでしょ」
 と、思うなら改善するしかありません。
 自分のことが嫌いだったら、少しでも好きになれそうな自分になれるように変えていくしかありません。そう思って頑張りました。
 父の年金が出たら!!!
 この呪文は私にとっての魔法の杖。

「私が悪いの」

 って、自己否定をするくらいなら、もっと進んで悲劇のヒロインになりましょう。私ってばこんなに頑張っているのに、どうして幸せになれないの?
 こんなふうに不幸に酔って、自分に陶酔していると、いつか飽きます。


 自己否定をするなら、期限を決めて悲劇のヒロインになってしまいましょう。自分を自分が思うとおりに慰められるのは自分だけです。


 ちなみに、私は悲劇のヒロインにはなりませんでした。そういう可愛いタイプじゃないし、戦うと決めたから。
「年金が出るまで!」という最終魔法を胸に、クイックルワイパーの剣と、鍋の蓋を盾にして。
 自分はヒーロー☆
 悲劇のヒロインになりきるか、世界を救う英雄になりきるか。それくらいしたほうが大苦難は乗り越えやすいものです。たぶん。




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miya fujisawa[kantan edokko kakeibo]